2019,1,9 親といふものはいつでも子どもを子どもと思ひたひ

親といふものはいつでも子どもを子どもと思ひたひ。

年末に去年と同じように、同じ日に東京から青春18切符を使って、リオンとかずと実家の奈良まで帰省した。

道中の三重県で去年と同じようにリオン邸宅に一泊した。リオンの父、ローレンスと芸術についてあれこれ話をした。映画にはその国民の時間感覚が表層される。ドイツや、アメリカ、イランの時間感覚の話をしながら、では日本人の時間感覚とは何か。と、そんなワクワクする話をしたのだけれど、さらに興味深いのはリオンのおかあちゃまである、静香との会話が面白かった。

おかあちゃまが話し始めた時からリオンがピリついているのが伝わってくる。 先に断っておきたいのだけれど、リオンは普段は優し過ぎる、と言っても過言ではない男だ。家に泊まると、僕が夜中にトイレに行く布団のカサカサ音で目を覚まし「大丈夫?」と聞いてくるほどである。何に対しての「大丈夫?」かはわからないが、兎にも角にも人に気を遣って24時間生きているような優しい人間なのだ。そんなリオンがここまであからさまに自分のイライラを表明しているのを僕は見たことがない。しかし、イライラする理由が僕には瞬時に分かった。

それは、リオンのおかあちゃまがリオンのことを子ども扱いするからである。

おかあちゃまは僕とかずに 「この一年どうだった?」と聞いたのだけれど、 リオンはこの時にもう、この会話が自分に返ってくることを予感していたのだ。 「じゃあ、ちゃんとしてないのはうちの子だけねぇ」とおかあちゃまが言った時のリオンの表情は「もうええねん」と全力で主張していた。

僕らを駅までリオンが送ることになった時、おかあちゃまは 「駅までの道、分かるか?」と聞いていた。 「地元やっちゅうに!幼稚園児か!」とツッコミたい気持ちを抑えながら

「親はいつでも子ども扱いしたい生き物なんやなぁ」と得心していた。

僕のおかんも、実家に帰るたびに 「歯医者にちゃんと行けよ」だのと小言をくれる。 そんなおかんや、おかあちゃまとは将来の話をしても 「安定した企業がええんちゃう?」 と、どっから拾ってきたのかわからない常套句にイライラすることになるので、将来の真剣な話は極力しない。役者のくせに親との対話はできないなんてなぁ。と、思うけれど、なんやかんや応援してくれてるので、やっぱりおかんには頭が上がらんとこがある。

実家に帰ると、なんだか小中高の幼い自分として扱われて、あの時みたいなだらしない自分になってまう。そんな自分に嫌悪感を抱きながら、今年の年明けもコタツでダラダラしながら 「はよ風呂入ってよ!」と言うおかんに、 「今、動こうと思ってたんや!」と小さな喧嘩をして過ごしている。

親といふものはいつまでも子どもを子どもと思ひたひ。

今週も読んでくれて、おおきに。