ごあいさつ。

住田町のみなさん、こんにちは。僕たちは、この夏、住田町で映画を撮りました。こうして、住田町で上映会が実現したこと、出演者、スタッフ一同、本当に嬉しく思います。

ここでは、「ある夏のできごと」を撮ることになった経緯と、「伯楽 -hakuraku-」という団体を立ち上げることになったお話をして、挨拶の言葉に代えていただきたいと思います。

正直な話をすると、僕が住田町で映画を撮ろうと思ったのは、「自分をプロデュースするため」でした。まだ駆け出しの役者の僕は

「自分をプロデュースするための映画を撮ろう」

と役者を始めたときからそう思っていました。

そんなある夏の日、大学時代に一緒に東北でボランティアをしていた友人のゆいが、東京に遊びに来ました。その時にSUMICAの謙也さんと敦代さんと一緒に昼からお酒を飲んでいると「住田においでよ」と言われました。軽いノリで「じゃあ映画撮るよ」と、本当に軽いノリで、そう応えたのです。そうして、二週間後初めて、後輩であり本作の監督である健太と一緒に住田を訪れました。

「もうやるしかねぇ」とガチガチに固まった僕らを受け入れたのが、

「ほんとに来たー!」

と笑うSUMICAのみなさんと、

「誰やこの大人たちは?」

と訝しげにこちらを見る、SUMICAで遊ぶ子どもたちでした。

短い滞在時間の中で、昭和橋、公園、松日橋、音蔵、蔵ギャラリー、陸前高田など、様々な場所を巡り住田の景色に出会いました。その景色は仁田直人、個人としても、映画製作者「仁田直人」にとっても、本当に魅力的なものでした。そして、何よりも住田の子どもたちと一緒に遊んだことは、僕に

「この町で絶対に作品を撮りたい!」

「映画以外にも、何かしたい!」

という気持ちをもたらしました。

帰りの新幹線の三時間。健太と二人でどんな作品にするか、話が終わることはなく、3週間後に迫った撮影に向けて、本格的に動きました。そんな僕たちの思いに共感してくれて集まったのが、今回の出演者のみんなです。直前のオファーにもかかわらず「なんかおもしろそう」という理由で駆けつけられたみんなは、すごいというか、「暇なの?」と逆にビックリしました。演劇人の暇である、という性質に本当に感謝です。

こうして僕たちは撮影を迎えました。いつも暖かく迎えてくれるSUMICAのみなさんと、子どもたちに元気をもらいながら僕たちは、無事撮影を終えました。撮影をしながら僕は「次はどんな話を撮ろう」と一作目すらまだ出来てないのに考えていました。そして、どうやったら、住田の子どもたちともっと一緒に遊べるだろう、と。

それを実現するために、伯楽 -hakuraku-という組織を立ち上げました。継続的に活動するためには、団体を作り、継続して活動する意思を住田町のみなさんに示さないといけないと思ったのです。今の僕は「自分のためのプロデュース」というよりも、住田のみんなと一緒に遊ぶために、住田に来る理由を作るために、これからの活動を考えています。

これから、新たな住田町の魅力に出会える予感にワクワクしています。そして、またみなさんと会えることを心から楽しみにしています。

伯楽 -hakuraku- 代表 仁田直人