今週のシャララ

感動のメカニズム

舞台が一つ終わった。
またもや更新が遅れてしまったのだけれど、そんなこと気にしてるのは自分だけだし、(待ってくれている読者の方がいたらほんまにすんません)遅れたことを理由に更新しないよりも、とにかく更新した方が絶対にいいのでこうして金曜日の始まりに(現在0時2分)布団の中からカタカタパソコンをしている。

感動ってなんやろ。
と、ここしばらく考えている。
アガリスクエンターテイメントの「ナイゲン」という作品を観たときに僕はあまりの感動で「すごい」しか言葉が出なかったのを覚えている。
感動は一つの思考停止だ、と先輩から言われたことを思い出し、
「これはいかん」と焦りながら帰路の電車でひたすらiPhoneにメモを残した。

今回の舞台稽古中に
「感動とは目の前の現象から抽象化された過去、もしくは未来の自分に遭遇することかもしれない。」と感じた瞬間があった。

作品に感動しているときに自分の過去の経験を思い出すことがある。

スタンドバイミーはどうしようもなく暇な夏休みにひょんなことをきっかけに死体を探しに行く話だけれど、僕はあの映画を観て、小学校の夏休みに兄と兄の友人たち総勢10名ほどで、小さな廃車置き場でエアーガンの撃ち合いをしたことを思い出した。

小学校低学年の僕にとって、夏休みというのは暇で、暑く、宿題もせずに時間を浪費する期間だった。
そんな夏休みの数少ない、刺激的な思い出がこの廃車置き場での撃ち合いだった。
アクション映画さながら車の屋根を走って銃弾を交わす、影に隠れ標準を定めて撃つ。
当時の僕にとって、あの小さな200mのグランドの半分にも満たない廃車置き場は夏休みの暇から逃れられる最高の空間だった。3、4日朝から晩まで飽きずに毎日この廃車置き場に行っては、撃ち合っていた。撃ち合いが飽きたら、車に侵入して中のものを漁ったり、ガムテープとゴルフクラブを使って窓ガラスやフロントガラスを壊したり、週刊誌のえっちなページに悲鳴をあげていた。撃ち合い続けて、確か5日目の朝。僕らはまた廃車置き場で遊んでいた。するとどこからともなくサイレンの音が鳴り響き3台のパトカーから「おい!こらああ!」と叫びぶ警官が出てきた。アクション映画ごっこが、その瞬間、「ごっこ」ではなくなった。一目散に逃げる10人の小学生低学年。うまく逃げ切れるわけもなくすぐに警察に捕まった。そして僕たちはパトカーに乗せられ、署に連行された。

なんと、あの廃車置き場は廃車置き場ではなく、HONDAの修理予定車を置く駐車場だったのだ。僕らが遊んでいた四日間はたまたま社員全員で社員旅行に出ていたようで、誰もそのことに気づかず、帰ってきた日に驚愕したそうだ。僕らはそんなことも知らずに車の屋根を走って、窓ガラスをぶっ壊していた。誰かが言い出した「廃車置き場見つけた!」という言葉を疑いもせず遊んでいたら、とんだバチが当たったのだ。無知に下された鉄槌なのか。いや、なんやそれ。

感動の話をしていたのだった。僕はスタンドバイミーを観るとこの夏のことを思い出す。過去の体験にもう一度遭遇した僕はこの夏の記憶を悪い記憶ではなく、「子どもにしかできない無茶な遊び」の記憶として改変する。作品を通して自分の過去の体験に遭遇し、ポジティブな体験に改変することが「感動」と言うことができるのではないだろうか。未来に対しても同じことで、未来に対する自分の展望がある作品や物語によって改変される。感動という体験には少なからず、自分の過去と未来の関係性を改変する現象が起きている。

そしてそれは「ありのままのあなたで生きろ」ということときっと同じなんだと思う。

今週も読んでくれてありがとうございます。
ついに、映画上映情報公開しました!
待っていただいていた方、本当に申し訳ありません。
こちらです!